父の病気GISTと、認知症と、別れ~その2
2014年、年末に入院
母もたまたま台所に居たので、とてもラッキーだったと思います。すぐに救急車で運ばれました。
病院では、救急の夜勤の医師がひと通り検査をしてくれたのですが、どこも悪いところは見当たらないと…。そして家に帰されそうになったそうです。
でも、母は「絶対にどこかがおかしい。まだ連れて帰ることはできない。」と言って、何とか入院させてもらうことになったそうです。
この時の母の対応によって、父は寿命が延びたと思います。あのまま帰宅させられていたら、次は母が不在の時に倒れ、手遅れになっていたかもしれません。
入院からたしか2週間程経った年末に、ようやくGIST(消化管間質腫瘍)という診断が出ました。10万人に1人か2人が罹る、稀な癌の一種です。
GISTの診断が出たのが年末だったので、すぐに手術の予定が入れられず、年が明けてからの手術となりました。ただ、入院中は血糖値などもしっかりとコントロールしてくれるので、父自身はいたって元気に過ごしていました。
食べても食べてもGISTにもっていかれる栄養
私が一番驚いたのは、父の食欲です。そういえば、倒れる少し前から「太った、太った」と言っていました。お腹がポッコリ出ていたんです。
でも、以前から少し太ったと思ったら、ごはんを減らしたり、自分でコントロールが出来る人だったので、あまり心配はしていませんでした。
でも実は、そのポッコリは脂肪ではなく、GISTだったんです。入院中も食事制限はなく、何をどれだけ食べてもOKという指示だったので、とにかく甘い物を欲しがりました。
お見舞いに行くたびに、バナナや三笠焼、おまんじゅうなど、父が喜びそうなおやつをたくさん差し入れしました。
年越しは病院となってしまったのですが、元日に大きめの握り寿司セットを差し入れすると、あっという間にぺろりと完食。
そのすぐ後に、病院の昼食が出されたのですが、お正月ということでお赤飯!しかもたっぷり。
お赤飯はもち米なので、お腹がいっぱいになりますよね。さすがにお寿司の直後にこれは無理やろう、と思っていたのですが、あっという間に完食!
これは実はGISTの仕業のようです。いくら食べてもGISTが栄養を持っていってしまうんだそうです。だからどれだけ食べても太らないし、すぐにお腹が空くんです。そして栄養を取られることによって、低血糖になってしまいます。
ただし、低血糖の症状はGIST患者全員にあらわれるものではないようです。
そうして、新年を病院で迎えた父は、数日後にGISTを切除する手術を受けることになりました。
~その3へつづく